にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

川端康成文学館

大変ご無沙汰しております。波留です。
前回の記事で「また20日に」と書きましたが、8月の20日どころか9月の20日が迫る時期になってしまいました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

さて、先日、大阪の実家に帰っている間に、大阪府茨木市にある「川端康成文学館」に行って参りました。
私は茨木市にある高校に通っていたのですが、これまで訪れたことがなかったので、今回ちょうど茨木市に行く機会があったときに立ち寄ってみました。

川端康成は、大阪府茨木市で旧制中学時代を過ごしました。

茨木市大阪府の北、京都との境にあり、ここでの生活は川端の美意識に何らかの影響を与えたかもしれません。

文学館は、市立の小さな施設で、ワンフロアしかありませんが、川端の幼少期の落書きや、使用した教科書、手紙などが展示されています。
展示の解説で川端康成がすべて「康成さん」と表現されていたのがなんとなく面白く思われました。親しみを込めて人や物を呼称する大阪の文化性の現れか、小さい施設ならではの柔らかい表現か…。

展示室の片隅には、川端が晩年、鎌倉で執筆を行なっていた書斎が再現されており、職員の方にお願いすれば、そこで「作家体験」をすることができます。

職員の方は優しく、体験している姿の写真撮影もしてくださいます。
万年筆の貸し出しがあり、原稿用紙に、川端の作品の書き出しや、好きな文章を書いて持ち帰ることが出来ます。

作家の静かな仕事場を再現した空間で、万年筆で原稿用紙に書きつければ、何か自分も高尚なものを書けるような気分に浸ることが出来ます。

茨木市の施設なのに鎌倉の書斎が再現されていることへのツッコミはご遠慮願います。

入館は無料。JR京都線茨木駅阪急電鉄京都本線茨木市駅のどちらからでも徒歩で15〜20分かかり、決してアクセスはよくありませんが、周辺に川端ゆかりの場所もいくつかあり、興味のある方にはのんびりと楽しんで頂けるのではと思います。


さて、デング熱の拡大も心配ですが、季節の変わり目で風邪をひきやすい時季。みなさまご自愛ください。
次回の開室は9月24日(水)13〜17時です。
それでは。