にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

近現代の奴も発言しますよ。

おひさしぶりです。修士2年になった東堂です。
今週から院の授業が始まりまして、近現代のゼミにも日・韓・中などさまざまなバックグラウンドを持つ新入生を迎えることが出来ました。
現代文学の必修ゼミは2種類あるのですが、今年は近現代の研究の大きな2つの流れを象徴するような授業内容となっています。
火曜日には、高村光太郎を材料に、散文のみでなく詩をものした文学者について取り上げます。
詩の研究はなかなか難しそうで、専門にされている先生も少なくなりがちではあるのですが、取り落とすことはできない要素ですよね。私が専門にしている作品でも、詩が引用されているので、今回はちょっと詩の鑑賞・研究についても鍛えたいところです。
一方、木曜のゼミでは、文学研究の基本の基本である理論の古典をみんなで読んでいくというものです。具体的にはバフチンネグリ(『帝国』など)、サイード(『オリエンタリズム』など)、アルチュセール、バルトなど。学部生の皆さんも、早めに押さえておくといいものばかりです。日本文学を学部から専門的にやっている人は、文学理論は好まないとも聞きますが、意外と発想が広がりますよ。

作品をじっくり精読し実証していく方向と、文学理論を参照して発想していく方法、それぞれ好みはあると思いますが、適宜オプションとして使い分けられると理想的ですね。

今年度もよろしくお願い致します。