にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

雨の中、『雪国』の話


こんにちは、佐助です。


今日は(も)書くことないなーと思いながらぼんやりWikipediaを眺めていましたら、「6月12日」の項に「1937年 - 川端康成の小説『雪国』が刊行。」とありました。へー。
『雪国』といえば、言語学的な研究で取り上げられることが比較的多いような気がいたします。日本語に特徴的な表現が多く含まれていること、各国で翻訳版が出ていることなどが理由としてあるようですが、今ざっと調べてみましたら『雪国』をめぐる言語学的な論が60件ほど出てきました。ほえー。
多いのは言語間の比較論で、○○語ではこの文をこういうふうに翻訳していて云々というようなものでした。それから、色彩表現に関することや文体に関することなどなどで、そらもういろいろおこなわれているようですね。はー。


それにしても、正反対の季節に刊行されているのがおもしろいなと思います。少なくとも私は、寒い季節になると読みたくなる小説として思い出すことが多いのですが、刊行された当時、購入した人はじめじめした季節に読んでいたのでしょう。執筆時期・雑誌掲載時期と単行本の刊行時期のズレは当然生じるものでしょうし、現在でもそうでしょうし、自分だって普段からそういうズレの中で小説を読んだり映画を見たりしているはずなのですが、改めて考えると不思議ですね。


とか何とか書いていたら、読みたくなってきました。
久しぶりに読むことにしようかなと思いつつ。佐助でした。