にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

ややこしい漢字の話

先週の金曜、雨が降るかと思ったら帰りは青空でした。
図らずも嘘つきのようなブログ更新。マコトニイカンデス。
今日は雨、なぜだかちょっと嬉しい。
こんにちは、佐助です。


台風3号がきているそうですね。
子どものころの素朴な疑問として、「たいふう」はなぜ「大風」ではなくて「台風」と書くのだろうというのがありました。「台」ってなんやねん、と。
大きくなってから知りました。大人の事情というやつですね。
(※「台風」は「颱風」の書き換えです)
「英知」(←叡智)・「包丁」(←庖丁)・「利口」(←悧巧)などなどなどなど、書き換えがおこなわれている語はものすごくたくさんあります。しかもこれ、漢字そのものではなくて、特定の語に限ってそういう書き換えをするという、もともとの表記を知っている人からするとえええええ!?となる方法です。もともとの表記を知らなくても、「これってどうしてこういう書き方をするの?この漢字って意味違うよね?」と思わせてしまうスリル満点の方法です(ちょっと違います)。


そして、上にあげたもの含め、大抵のものは今やもう、キーボードで打って変換できてしまうのですよね。
となると、もはやこの書き換えは無意味なものというか、もともと余計な混乱を生じさせていたのがさらにややこしくなってしまったものというか。
わかりやすい例、一時期話題になったものでいうと、「障碍」を「障害」という表記に統一したら「「害」とはなんだ」という反発があって「障がい」と書くようにしてみたりして、でもって「障碍」が復活してきたりして、もう何が何やらというようなことですね。



はーややこしや。漢字をめぐってはさまざまな論(推進派・廃止派・制限派など)がありますが、それも頷けます。
世界の闇に触れる話題でした。