にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

屁糞葛も花盛り


こんにちは、佐助です。
通常授業期間が終わり、今日と明日は定期試験がおこなわれます。
とはいえ、定期試験をおこなう科目はそれほど多くありませんので、なんだかもう半分以上夏休みモードのようなそんな文キャンです。
コース室は明日まで通常開室いたします。


昨日の小倉くんの記事を見ていてふと、「ヘクソカズラ」とか「イヌノフグリ」とか、なんでそんな名前つけたのー?と思うような植物名って一体いつから使われているんだろうかと思ったりしました。
ということで日国を引いてみましたら、ヘクソカズラの初出例は『色葉字類抄』(1177〜81)になっていました。そんな昔から呼ばれていたんですね。(「クソカズラ」も同じものを指しますが、こっちは万葉集の歌に詠まれています。「クソ」だけでは足りなかったんでしょうか。漢字にすると屁糞葛です。なんかもう、やめてあげてよ!って感じです)

ちなみに、「屁糞葛も花盛り」ということわざまであります。どんなに不細工な娘でも、年頃にはそれなりの魅力があるよという意味ですが、あんまりフォローになってません。言われたらキレていいと思います。
まあでもたしかに、今の時期に咲いている花は愛らしい(小倉くんの撮った写真を見ればおわかりいただけるかと思います)。……ただやっぱり葉・茎の臭いがあれなので、近寄りたくはないですね。それなりの魅力はあるけど近寄りたくない。やっぱりダメです、このことわざ。言われたら殴っていいと思います。字面もひどいもんです。


なお、イヌノフグリは『日本植物名彙』(1884)が初出例のよう。なんと申しましょうか、かわらない発想力ですね。名付けのセンス。




そんなことを思いつつ、佐助でした。