にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

発見はいつもそこに

7月14日朝日新聞記事「川端康成の未発表小説 「星を盗んだ父」大阪の文学館に」
http://http://book.asahi.com/booknews/update/2012071400002.html
原稿自体はかなり前から見つかっていたものの、どんなものであるか詳しいことはなかなかはっきりしなかった、ということらしいですね。今回の成果は、熱心な調査の賜物だったのでしょう。

ずいぶん研究が進んでいる作家でも、未発表原稿や新資料が時々発見されます。
6月には、夏目漱石「門」の原稿のうち所在不明だった4枚が福島の個人宅で見つかりましたね。
http://mainichi.jp/select/news/20120623k0000m040028000c.html

漱石レベルになると、やはりかなり大きくとりあげられます(夕刊だったかもしれませんが、一面にでていたように思います)。
世間的なニュースバリューとなると、実感的にはおおよそ漱石・鷗外>芥川・志賀・川端>谷崎・三島という感じなのでしょうか。こういった序列がどうして形成されたのかも、面白いところではあります。

ちなみに私のとりあげている某作家も、今月ある雑誌に50年ほど前の未発表批評が掲載されましたが、世間では誰も知りません。