にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

古記録と文学

こんにちは、「出てくる度に久しぶり」の千鳥です。
今週前半は胃腸風邪でダウンしておりました(佐助さん申し訳ないです…)。
マスクをしながらこの記事を書いています。


藤原道長の『御堂関白記』が、この度ユネスコ記憶遺産に登録されたというニュースが世間を賑わせています。
実はわたくし学部の卒論で御堂関白記をちょっとだけ扱ったので、なんとなくうれしいです。


平安時代の文学と言うと、和歌や『源氏物語』『枕草子』などのかな文学が有名で、
真名(=全て漢字!)で書かれた公家日記には親しみがない方が大半かと思います。
これらは「古記録」として扱われており、基本文学よりは日本史の範疇寄りのようです。
でも同じ時代の資料としてチェックしないわけにも…でも読みにくい…という感じでしょうか。
しかし、最近どうしたことか続々とこれらの真名の日記が現代語訳されており、
注釈書すら多くはなかった以前に比べ、格段にとっつきやすくなりました。
紫式部日記』や『枕草子』の記述と重なる部分もあり、
比べて読んでみるとなかなか面白いことがたくさん発見できます。
例えば御堂関白記紫式部日記の同日記事を読んでみると、
あの道長が実は相当な孫バカだった!なんてことがわかったり。
受験日本史の知識でしかなかった人物が、ぐっと身近に思えてきます。


個人的なおすすめは三蹟の一人、藤原行成の日記『権記』。
道長の『御堂関白記』や藤原実資の『小右記』と並んで平安時代中期の代表的な日記です。
この時代の“官僚”や“公務員”がどれだけ激務だったかがよーく分かる内容です。
今の世に生まれて本当に良かった・・・と思ってしまうかも。
こちらも昨年、講談社学術文庫より現代語訳が全巻出版されました。
もちろん、戸山図書館・中央図書館にも配架されています。機会があればぜひご覧になってみて下さい。
(もし全て借りられていたら、コース室に来て千鳥に言ってくださればお貸しします。笑)


そんなこんなで、にちぶんにっき内レアキャラ化中の千鳥でした。
来週はまじめに書きます。たぶん!