にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

言葉遊びの妙

こんにちは、佐助です。
毎日暑うございますが、今日は家を出た瞬間、あれ?ちょっと涼しい気がする…と思いました。
大学に着くころにはそんなことはすっかり忘れて、くっそあっついなあと悪態づいておりました。
「節電」が習慣になってきましたが、今年もすでに熱中症で亡くなった方々がいらっしゃるそうです。冷房つけましょう、冷房。



室町末期〜江戸初期にかけての口語資料としてしばしば取り上げられる『醒睡笑』という本があります。著者が幼い頃から耳にしてきた笑話の類をまとめたものらしく、おもしろ話がいっぱい入っていまして、中には言葉遊びを楽しんでいる様子のものも多く、なんだか素敵だなあと思うわけです。
例えば、「お茶をもみぢにたてよ」と言ったり(「濃く能く」のウ音便「濃う能う」→「紅葉」→「もみぢ」という発想によるもの、これを都で聞いてオシャレ!と思った東国の人間が故郷に帰ってから使ってみて、どういう意味?と聞かれたので「濃く能くたてよ、ってことだよ!(ドヤ)」と答えたけど、「濃く能く」じゃあ「もみぢ」に通じなくて意味わからんハハハ、でもまあ都と東国じゃ言葉も違うし仕方ないよねっていう話です)、とろろ汁をことづて汁と言ったり(とろろがあるとご飯が進む→「飯遣る(いいやる)」→「言い遣る」→「言伝(ことづて)」という発想によるもの、これを老人に聞かされて素敵!と思った女性が使ってみて、どういう意味?と聞かれたので「おだいやるってことさ!(ドヤ)」と答えたけど、「おだい」(女房詞でご飯を指します)じゃ「ことづて」には通じないよハハハハハっていう話です)。


()書きを長くしすぎて、いったい何が書きたかったのか忘れてしまいそうになりましたが、つまりはそう、こういう言い換えってなかなかむずかしいものですが、できたら素敵ですよねえということです。
ただ、通じないと意味がない・通じるようにできないとカッコ悪い・理解できないとダサいというハードルの高さがありますね。うーん、むずかしきものなり。



そんなことをつらつら考えつつ、今日も書籍整理に勤しみます。
佐助でした。