にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

小満と日本近代文学

こんにちは、小倉です。今日は雨ですね。
私はわりと傘を忘れて家を出てしまうことが多いです。
そのため、一人暮らしにもかかわらず、現在私の家には4本のビニール傘と1本の普通の傘、計5本の傘があります。
今日はファミリーマートのビニール傘で行こうか、それともローソンにするかなどと選べてなかなか楽しかったりもします。
ちなみに今日はセブンイレブンな気分でした。


明日は二十四節気でいうところの小満だそうです。
小満とは草木が繁って天地に満ち始める意、その辺に生えている草ばなが好きな私にとってはうれしい季節がやって来ました。
さて、小満が登場する日本文学といえば、林芙美子の「風琴と魚の町」ですね。少し引用してみます。
  

「私は、見当もつかない夜更けの町へ出た。波と風の音がして、街中、腥い臭いが流れていた。小満の季節らしく、三味線の音のようなものが遠くから聞こえて来る。」
                (『林芙美子 ちくま日本文学20』筑摩書房 2008より引用)


この作品の舞台は広島県尾道
個人的にも気に入っている場所で、これまでに2回ほど訪れたことがあります。
現在、「風琴と魚の町」はちくま文庫講談社文芸文庫『清貧の書・屋根裏の椅子』に収録されたものが手にとりやすいのではないかと思います。
なんで新潮文庫は増刷しないのでしょうか…
ともあれこの機会にぜひどうぞ。
それでは。