にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

日本三大崩れ

こんにちは。小倉です。
帰り道、フタツホシテントウが私にとまりました。
それを、つまもうとした瞬間、テントウは、私に、黄色い汁で攻撃をしてきたのです。
こういうときに限って白い服を着ており、洗濯用の歯ブラシでこすってもとれず、ちょうど洗濯機をまわしたところでございます。


さて、大自然の脅威を体感したところで山の話など少々。
幸田文のエッセイには『崩れ』(講談社文庫 1994)という作品があります。
このなかでは幸田文が実際に日本三大崩れなどを自分でめぐり、それについて記しております。
私は高校時代に、その日本三大崩れのひとつである大谷崩れ(オオヤクズレ)に登ったことがあるのです。
少し引用してみます。


 なんだかわからないが、晴々としない感じがあった。大谷崩れを見てショックを
 受けて以来、身にしみて思うのは、崩壊とは計り知れない大威力であり、想像も
 できない巨大なエネルギーだということである。今のこの晴々しない気持も、そ
 れだと思う。


幸田文は大谷崩れを登ることはしていませんが、私は冬に登ったので、上の方に雪は積もっているわ足場は崩れるわで、疲労と緊張感でぐったりしていた記憶があります。
この『崩れ』は読んでいていろいろとおもしろく、立山に崩壊を見に行った際には、幸田文がすぐ疲れてしまい、そこからはおんぶ(!)してもらって登るということになります。
どう考えても一番頑張ってるのは幸田文をおんぶしている人です。
そんな『崩れ』。ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。
ではまた来週。