にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

雑草ノート21

こんにちは。
違う種類のカレールーを混ぜてカレーを作ることはよくあることなので、違う種類のレトルトカレーを混ぜたらおいしいのではないかと思い、やってみたけど全くおいしくなかった小倉です。


さて、柳田国男は「野草雑記」において「タケニグサ」という名称に考察を加えています。ウィキペディアにも名前の由来について「竹と一緒に煮ると竹が柔らかくなって加工しやすいからとの俗説もある」と書かれていますが、柳田国男は「今日普通にいう竹を煮ると柔らかくなるという説は、なにぶんにもまだ信用がおけない。はたして一人でもそんな実験をしてみた人があるかどうか。確かめもせずに語の解釈に供するのは悪いと思う。」とその説をいったん退けます。こういう実験をやってみたというような動画を誰かつくってほしいものです。


そして、「だからわれわれはまずこの植物に対して、現在土地土地で与えている名前を、比べ合わせてみる必要を認めるのである。」といって、タケニグサの他の呼び方を次々に挙げていきます。「チャンパギク」、「ドロボノシンヌギ」、「オオカメダホシ」、「ゴウロギ」、「ガラガラ」、「ササヤキグサ」、「ササヤケ」などなど。柳田国男の郷里、播磨では狼がこの草を食べると酔って倒れるから「オオカメダホシ」と呼ばれていたらしいですが、それについて柳田国男は「狼が草を食うということがすでに考えられず、それを見ていて酔っぱらうのを確かめた人などは、探しまわるだけのものはないのである。」と言っております。誰かこの草を使って実際に狼を倒してみたというような動画をつくってほしいところですが、ニホンオオカミはすでに絶滅してしまいました。残念。


雑草の名前は誰がつけているのか常々疑問に思ってきましたが、名前の由来をいろいろ想像してみるのも楽しいかもしれません。雑草が枯れた時期にもがんばって雑草ノートを書いてみました。

    竹煮草影そよぎあふ側をすぎ暑しとおもふ製材の音   宮柊二


それでは。