にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

国立演芸場で落語を聴く

こんにちは。波留です。
今日は、今のところ雨は降っていませんが、不安定な天候で予報もコロコロ変わっている感じ。洗濯物がぁー…というこのごろです。

さて、6日金曜日の関東地方は大雨でしたが、国立演芸場に落語を聴きに行ってきました!

出演は以下の通り。

落語 柳家 圭花(前座)
落語 柳家 さん光
落語 川柳 つくし
奇術 花島 世津子
落語 三遊亭 吉窓
落語 鈴々舎 馬風
―仲入り―
落語 林家 木久蔵
落語 古今亭 志ん橋
漫才 大空 遊平・かほり
落語 柳家 権太楼

川柳つくしさんは、女性の落語家!数少ない女性の真打ち(落語家の一番上の階級)です。早稲田大学教育学部出身で、興津要先生のゼミに所属していたそうです。

寄席では、落語だけでなく、奇術や漫才もあり、寄席によっては曲芸や歌謡漫談などもあります。初めての人でも飽きずに楽しめる構成になっています。先日の奇術は、お客さんを舞台に上げて、イリュージョンに参加させていました。元気なおばさまマジシャン3人組で、話術で聴衆をどんどん楽しく引き込んでいきました。

鈴々舎馬風さんは、前の落語協会会長。以前はよくテレビなどにも出ていたので、覚えていらっしゃる方も多いのでは?先日は、落語を演じず、漫談のような形でした。床屋の息子さんだそうで、理美容学校に“通わされた”ころの話をおもしろおかしく。
落語家になりたくて、顔剃りをしていても落語のことで頭がいっぱい。あるとき、気付いたらお客の眉毛を片方剃り落としていたとか…。端っこを落としてしまったなら長さを合わせればいいが、真ん中からいっちゃったから反対側もそうするとお公家さんみたいになっちまうし…云々。
さて、そのお話のときに「ひげをあたる」という表現を使っていましたが、今でも床屋で使われるこの表現、「ひげを剃る」を江戸っ子が言うと「しげをする」、「スル」が「博打をスル」「興行をスル」に通じて縁起が悪いから、これを「あたる」と言い換えたとか、言い換えないとか…。
するめ」を「あたりめ」というのも同様でしょう。
ある人は気にしすぎて「スリッパ」を「アタリッパ」と言った、なんて笑い話もありますが…。

どの方も面白かったのですが、トリに近づくにつれ、噺家さんのレベルが高くなっていくのがわかり、大トリ(大トリを主任といいます)の柳家権太楼さんはさすがという感じでした。(演目は「笠碁」)
個人的には十代目金原亭馬生の「笠碁」にまさるものはないと思っていますが…

国立演芸場は6月中旬まで開場35周年記念公演をしているそうです。
それから、狭義の寄席は浅草、上野、新宿、池袋の4箇所で常時行われています。
初めての方でも楽しめること請け合いですので、みなさま、ぜひ一度足をお運び下さい。