にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

外来語と食べ物

カツ丼食べたいですねえ…。

カツ丼のカツはトンカツのカツですよね。
トンカツは豚のカツレツのことだと思いますが、カツレツというと何か別のオシャレな(自分にあまり縁のない)食べ物のような気がしてしまうのは私だけでしょうか。
「カツ」という言葉がもう成立している気がします。
カツレツは、英語のcutletのことと言われています。(もとはフランス語のコートレット(cotelette)か)
カツがカツレツから、カツレツがcutletからきているとすると、カツはcutだけですから、語源的にはおかしいかもしれませんが、もはや日本語に取り入れられているということでしょうね。そもそも、coteletteはもともと「骨付き背肉」のことだそうで、cutletが料理を指すという時点で意味変化が起きているわけです。言葉がどんどん意味や形を変えながら違う地域へ伝わっていくのは面白いですね。

食べ物・料理と外来語ということで考えれば、やはり英語やフランス語が多いと思いますが、近世あたりに入って来たものは、「カステラ」などポルトガル語源のものもあります。

カステラは外来語とわかるのですが、カツは少し日本語っぽいですね。
もっと日本語っぽいものだと「かぼちゃ」!
これはポルトガル語の「Cambodia」(カンボジア)からきているそうです。
はじめカンボジア原産と考えられていたからだとか。

その他、金平糖ポルトガル語からきたというのは有名でしょうか。「confeito」からと言われています。漢字があてられていると日本語っぽいですけどねー。

さて、逆に外来語っぽいのに日本語からきたのは、「アンデスメロン」。
メロンは英語ですが、アンデスアンデス山脈から…ではなく、なんと「安心です」を縮めた言葉とのこと。びっくりです…。

とにかく、私はカツ丼が食べたいです。それでは。

参考:
・ジャパンナレッジLib『日本国語大辞典
・『デジタル大辞泉』