にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

方言雑記「カッターシャツ」

カッターシャツ」という言葉、使ったことありますか?

こんにちは、波留です。
さて突然お聞きしましたが、「カッターシャツ」という言葉を使ったことはありますか?
使ったことがあるというあなた!西日本のご出身ですか?

カッターシャツ」は、近畿地方などで使用されている方言で、全国的には「ワイシャツ」と呼んでいるものに相当します。
カッターシャツ」が方言とは知らなかったという方もいらっしゃるかもしれません。
また、知ってたよという方、語源はご存じですか?

「cutter(裁断師)から」と言われたら、なんだかそれっぽいですよね?でも、これは俗説のようで、日本国語大辞典という大きな辞書に

「「勝った」のもじりで、スポーツ用品メーカー美津濃(現名ミズノ)元社長・水野利八の造語。」『日本国語大辞典 第二版 第三巻』小学館、2001年、806頁

とあります。うーん、cutterが語源であってほしかった気も…。でも、縁起のいい名前なんですね。

ちなみに、シャツつながりで言うと、「ハイカラ」という言葉は、英語の「high collar」からきています。つまり「ワイシャツ」(カッターシャツ)の襟のことですね。和服に対して、洋装、そして西洋風の代名詞だったのでしょう。

対する早稲田は「バンカラ」。これは「蛮+ハイカラのカラ」です。「蛮」とはあまりいいイメージではありませんが、いい意味で型にはまらない言動を心掛けたいですね。

蛇足ですが、全国で優勢の「ワイシャツ」も、「ホワイトシャツ」からきた和製英語カタカナ語も日本語の立派な長所なので、国内で使う分には構いませんが、英語圏では「dress shirt」などと言うそうなので、ご注意を。

それでは、また機会があれば方言や日本語について書いてみようと思います。