にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

夏季休業期間中開室日のお知らせと古書入札会

こんにちは、千鳥です。
週一でブログどころかかるく二ヶ月書いてないことに気づきました。
早く書けと脅s・・・励ましてくださった皆さんありがとうございます!


まず、夏休み中の開室日をお知らせいたします。


開室日 
一斉休業期間中(8月13日)を除く毎週水曜日
8月6日 8月20日 8月27日 
9月3日 9月10日 9月17日 9月24日

開室時間 
13:00〜17:00

上記の七日間のみの開室です。
TA・助手が在室予定ですが、都合によりTAのみ・助手のみの日もございます。
予めご了承くださいますようお願い致します。


さて皆さんは古書入札会というものをご存知でしょうか。
先日、「七夕古書大入札会」が東京古書会館で開催されました。


長谷川町子さんのかるたなど2000点出品 古書入札会 :日本経済新聞
http://s.nikkei.com/1iZkTbw
(このニュース、私がTwitterで騒いだのでご存じの方も多いかと思います。笑)


古書入札会とは、簡単に言うと美術品オークション(つまりサザビーズ的な)の、
古書を中心とした文化資料部門です。
七夕古書大入札会は、明治古典会が毎年七月第一週目に開催している、
入札会のうちでも最大級のもの。このような入札会は普段、
会員資格を持つ方(すなわち業者さん)以外は入ることが出来ないのですが、
この7月の七夕古書と11月にある入札会は入札日の前二日間、
一般下見展観・プレビューがあり、誰でも出品物を手にとって見ることができるんです。
落札されてしまえば博物館のガラスの中で〇〇文化財になるような、
数万円〜数百万円(物によってはもっととんでもない額になることも…)の資料を、
自由に触って拝見することが出来ると思うと、ちょっとびっくりしてしまいます。
文学関係だけでなく、美術・工芸・風俗・写真・歴史など色々な資料があるので、
「好きな戦国武将の書状が見たい!」なんて方にもおすすめです。


展観開催時間であれば、事前の連絡等は不要です。
入口で荷物を預け、腕時計や指輪、ブレスレットを外して手を綺麗に洗えばOK。
(スーツで行かれる方はカフスボタン等に注意して下さい)
丁寧に扱うことを心がければ、後は自由に出品物を拝見できます。
夏目漱石森鷗外の自筆原稿落札されたら数百万!なブツも素手で触れちゃいます。
よく漫画などでは、白手袋をはめて展示物に触れていますが、
紙の資料類ではかえって繊維を傷つけてしまう恐れがあります。
なので、資料・展示物を扱う際には清潔にした素手がいちばんなのです。
(学芸員資格の取得を目指される方はきっと授業で習うはず!)


なお、明治古典会の入札会は、
夏が近現代多め・冬が古典籍多めな傾向があるため、
今回私は自分の専攻に関わるものよりも自分の趣味のものを見ることに専念。
荷風の『男ごゝろ』や内田百間の『クルやお前か』の草稿が出品されており、
テンションがあがって結局数十分かけて最後まで読み通してしまいました。
本の状態ではわからない、推敲・修正の跡を眺めるのはとても楽しいです。
ちなみに前者は最低価格200万、
後者は最低価格設定がない「ナリユキ」・・・一体幾らになったんでしょう。


ご覧になられた上で欲しいものがある方は、
会場にいる業者の方(名札がついています)に声をかけ、予算を伝えれば入札できます。
ただし落札出来るかは運次第・・・。
価値・真贋を見抜く能力や書誌学や美術の知識、そして駆け引きが必要です。
そんなあたりもやってみるとスリルがあってなかなかおもしろいかもしれません。
私も毎回ちょっと欲しいなぁ・・・と思うものはあるのですが、
好きであるゆえに目が眩んで価格の予測をつけられず、入札する勇気が持てません。笑
いつか思い切って何か落札してみたいなーと夢想する日々です。


以上、久しぶりの更新でなんだか普段にもまして長文になってしまいました。
東京は毎日30℃を超える暑さで茹だってしまいそうですが、
学期末の試験シーズン、熱中症とクーラー病に気をつけて乗り切りましょう。
あんまりにも暑くて目眩がしたら、どうぞコース室に涼みに来て下さい。ではでは。