にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

夏には怪談…?

お久しぶりです。波留でございます。
長らく更新が滞って申し訳ありませんでした。期末のバタバタが過ぎ、夏休みに入りました。
すでにお知らせしたように、夏季休暇中は毎週水曜日に開室しております。本日の次はお盆休みを挟みまして8月20日に開室いたします。冷房効いてます!のでどうぞお立ち寄りください。

それにしてもお暑うございますねえ…。
そんな夏の夜には怪談話で涼しくなろう!ということをよく聞きますが、怪談話が苦手な方もいらっしゃるでしょう。

そんなあなたに、落語「化け物使い」!
筋はこうです。

むかし、人使いのたいへん荒いご隠居がいた。ご隠居の所に来る使用人はみんなすぐにやめてしまう。
あるとき田舎から出てきた辛抱強い杢助さんという人がやってきた。杢助さんはご隠居の無理な言いつけも聞いて三年も勤め上げた。
ところが、そんな杢助さんも、ご隠居が引っ越す先が化物屋敷と聞いて、化け物だけは耐えられませんと言ってやめてしまう。
ご隠居が新居に行くとなにやら不穏な空気。夜が更けると、背中がぞくぞく〜っとして、見ればそこには男の子…目がひとつしかない男の子、一つ目小僧が出た。

このままだと不気味な怪談話、落語には確かに怖〜い怪談噺もあります。でもこれは笑い噺。

ご隠居はどうしたか。さすがブレない。怖がるどころか、待ってましたとばかりに仕事を言いつける。晩飯の片付け、肩たたき、さんざんこき使って、うまく出来ないと叱ったりする。こんなはずじゃなかったと一つ目から涙を流す小僧。
明日は昼から来てもらおう、なんて言うご隠居に一つ目小僧は恐れおののいて、もう次の日は出ない。
翌晩に出た大入道にも力仕事をさんざんさせる。のっぺらぼうの女には少し優しくしたりして。
ご隠居は、こりゃあいいや、化け物は給料も飯もいらないし、なーんて上機嫌。
今度は何が出ると待ちかねていると、狸が出てきて、今までの化け物はすべて自分が化けていたと言う。そして泣きべそをかいて言うことには…

勘のいい方にはオチが読めたかもしれませんが、一応書かないでおきます。ぜひご自分で音源を聞いてみてください。映画『平成狸合戦ぽんぽこ』のナレーションをやっていた古今亭志ん朝の口演がおすすめです。あの映画も狸がいろいろ化けますね。

別に落語を聞かなくてもいいのですが、どうせ暑いのなら、怪談で涼しくなったり、笑って楽しくなったり、気分良く過ごしたいですね。
(ただし熱中症の危険性があるので、気分だけ涼しくなってもやっぱりだめかもしれません。水分は採って、適度に冷房を使ってくださいね。)

それではみなさん、よい夏を!また20日に。