毎日寒いですね。東堂です。
今週末の土曜日には、博士論文構想発表会が朝から夕方まであります。
どなたでもご来聴いただけますので、よろしければお運びください。古典から近代、日本語学まで、全分野の研究の様子が垣間見られる貴重な機会でもあると思います。
さて、お役に立てているのか不明ですが、ときどき気になる展覧会やイベントの情報をピックアップしている私・東堂。今回もいくつかご紹介したいものが出て来きました。それではまいりましょう。
1,特別展「書聖 王羲之 書を芸術にした男」(東京国立博物館 平成館、3月3日まで開催中)
絵画はともかく、書でこれほど大規模な展覧会は珍しいのではないかと思います。
書に不勉強な私でも、名を聞けば「おっ」と思うビッグネーム・王羲之。世界史の教科書にも載っていたような気がします。
そんな名だたる能書家でも、真跡(本人が書いた書)は戦乱で失われるなどして残っていないんだそうです。精巧な複製によって、いまにその才能が伝えられているとか。
この展覧会では、新しく見つかった唐代の摸本「王羲之尺牘 大報帖」が世界初公開されているというのも見どころですね。遣唐使によって日本に持ち帰られたというのにも、雄大な歴史を感じます。
日文コース室のある研究棟5階の掲示板に100円割引券が張ってあります。取らないと東堂がもらって帰っちゃうかもしれませんよ。
2,東京国際文芸フェスティバル(東京大学、早稲田大学、六本木ヒルズほか 3月1〜3日)
ノーベル賞作家J.M.クッツェー(『夷狄を待ちながら』『恥辱』など)やジョナサン・サフラン・フォア(映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』原作)ほか海外の文芸家と、日本国内で活躍中の作家・批評家・翻訳者らが会し、全9会場でイベントを開催。
日本からの登壇者には谷川俊太郎、池澤夏樹、川上未映子、古川日出男、平野啓一郎、柴田元幸、東浩紀、市川真人などの名前が挙がっています。参加申し込みはウェブ上からできます。
3,近現代の作家と文化人〜詩歌の世界〜(江東区芭蕉記念館 4/21まで開催中)
http://www.kcf.or.jp/basyo/event_detail_030200600199.html
夏目漱石・尾崎紅葉・芥川龍之介・谷崎潤一郎など、小説家としてのイメージが強い文豪の俳句・短歌に焦点を当てた企画展です。漱石直筆の掛軸、尾崎紅葉の短冊もあるようです。
芥川龍之介は『澄江堂句集』が死後に出されていて、俳人の側面もあるのですが、この展覧会ではそこがよく見られるかもしれません。
春休みに覗いてみてはいかがでしょうか。