にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

復刻、複刻

こんにちは、ブダイです。
今朝はなんとなく肌寒かったので厚着で通学しました。
さて、日本語日本文学コース室にいらっしゃる方は雑誌の閲覧を希望される場合が
ほとんどなのですが、次のような資料もありますので紹介したいと思います。

日本の近代小説の嚆矢とされる二葉亭四迷『新編 浮雲』です。
二葉亭と春のや主人(坪内逍遥の筆名の一つ)との合作として刊行された
浮雲』ですが、表紙には「坪内雄蔵著」(逍遥の本名)とあるので、
パッと見た限り、メインの作者は逍遥として読んでしまいます。
二葉亭の名は「浮雲はしがき」で目にすることができますが、
こういったところに新しい作家の登場シーンが見てとれます。

右は島崎藤村若菜集』、左は与謝野晶子『みだれ髪』です。
見比べてみると本の形がずいぶん違うことがわかります。
上記のものは全て日本近代文学館による複刻版です。
函に貼られた奥付には「名著複刻全集 近代文学館」とあります。
注意したいのが、「復刻」ではなく「複刻」となっています。
どうやら誤字ではなさそうで、作り手のこだわりが感じられます。
といった感じで、ふだん親しんでいる文庫版や全集版にはない発見も
ありますので、お暇なときに眺めていってはいかがでしょうか。