にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

名誉も汚名も挽回しちゃう?


こんにちは、佐助です。
文カフェの笹に吊るされた短冊を見ていましたら、やっぱり単位がほしいと書かれたものがありました。
まもなく試験・レポート期間ですね。それについての情報が今日、掲載されたようです。
http://flas.waseda.jp/hss/campus_guide/study/class_and_examination/examination_and_report/


昨日、悲しみに暮れながら「ご冥福をお祈りいたします」と書いていたら、いつかどこかで「ご冥福を捧げます」と書いている人がいたのを思い出しました。
「哀悼の意を捧げます」といったような表現と混同して生じたものなのでしょうが、「死後の幸福を捧げる」ってすごいなーと思いますね。神様仏様……。


同じような例で、「名誉挽回」「汚名挽回」というのがあります。
よく、「「汚名挽回」だと「汚名を取り戻すこと」になるから間違いだ」と言う方がいます。
まあそう考えられるのももっともなのですが、実は案外「別に間違いではない」という意見も多くみられますね。
大修館書店から2004年に出版された『問題な日本語』(北原保雄先生編、『明鏡国語辞典』の編集に携わってらっしゃった先生方が執筆されています)の中でも取り上げられていて、「劣勢を挽回する」のように「巻き返す」意味で「挽回」を理解すれば「汚名を挽回する」もべつに排除する必要はないといった旨のことが書かれています。
こういうものを読むと、「正しい日本語」の曖昧さがよくわかりますね。


このシリーズは4巻まで出ていまして、小林賢次先生も執筆者のお一人でした。
偶然こういうふうにつながって、なんだか不思議な気分の佐助でした。