にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

適当に、なんかいい具合に


蝉の鳴き声が堂々たるものになってきたような気がします。
こんにちは、佐助です。


昨日の千鳥ちゃんの記事、写真の料理がおいしそうでジュルリ。
その中で「すすめる」について書いていましたが、当用漢字や当時の一般的な表記も関係していそうですね。
と思って少しだけ調べてみましたら、「当用漢字音訓表」で「すすめる」の訓が記載されているのは「進」と「勧」で、「薦」「奨」には音読みしか記載されていませんでした。
つまり、「すすめる」を漢字表記するときには「勧める」か、あるいは「進める」のどちらかで書くのがよさそう、ということでしょうか。
あとは当時の一般的な表記ですが、明治期に編纂された辞書『言海』には「進」という字が使われているようです。というところがヒントになりそう。戦後の辞書などにどう表記されているか調べてみたら、『ガスニュース』で「進める」を使用している訳がわかりそうです。(が、そこまでやる気力はありません)



というようなことを適当に考えていました。
そういえば、この「適当」もよくわからない言葉ですよね。
私の中の、よく使う割にはよくわからん言葉シリーズの一つです。


「次の選択肢から適当なものを一つ選びなさい」とあったら、選択肢からふさわしいものを選べということだなと理解しますが、「もうそんなのいいよ適当で」と言われたら、ああいいかげんに済ませていいのだなと理解します。
前者の意味が本来で、後者は新しく生じた意味ですが、今にいたってもどちらの意味でも使用できてしまって、なんだかもう考えてみるとよくわからないものですね。
まあまあ、どちらの意味かは文脈や語調で判断できそうですが、一方で「砂糖を適当に加える」とか「適当な発言をする」とか、どっち?と思ってしまうものも結構ありそうな気がいたします。ややこしい。


さてはて、適当な言葉遣いを心がけたいものですね。