にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

コース室にふく来てます

ご無沙汰いたしております。波留です。
夏の暑さもひとまず落ち着いて、今日の関東は寒いくらいですが、いかがお過ごしですか。
西日本など、台風の被害があった地域の方々には、お見舞い申し上げます。


さて、今年度はブログの更新があまりできておらず、先日、先輩方からお叱り、もとい、ご期待の声をいただきました。
今後はもう少し発信していきます!


今回は、山口県の方言の話を少しだけ。
というのも、親の田舎が山口県下関市で、お盆に帰ったのですが、そのときに、食べ物の宣伝文句などに使われている方言をいくつか見かけたのです。
山口県の中でも地域によって違いがありますが、今回は大まかに山口県の方言として紹介します)


まずは、地元のお祭りに行ったとき。
「一銭焼き」(どちらかというと西日本の食べ物でしょうか)の写真に、200円という値段とともに、


「ぶちうま!」


という売り文句が。

「ぶち」は、山口県の方言で、「すごく、とても」のような意味を表します。

ちなみにその横には、
「チーズ入り 一銭焼き めちゃウマ! 300円」
というのもありました。(「めちゃ」「めっちゃ」は、西日本でよく使われますが、全国的に使われるので、ここでは方言とはいえないか。)チーズが入った代わりに100円高いんですね。でもお祭りではなかなか良心的なほうだと思います。

話が逸れました。「めちゃウマ!」と「ぶちうま!」を書いたお店の人は、単純にバリエーションとして書いたのだと思いますが、地元の方々はどちらがより美味しそうな表現と感じるのか、というのも気になりますね。


次は、デパ地下で見かけた、


「しみちょるドーナツ」


他県民の方々もなんとなく意味がわかるでしょうか。
「しみている」というような意味ですね。「ちょる」は、「ている」といった意味の山口方言。
「ている」を表す表現は、近隣の四国や中国地方で「しちょう」というのもありますし、「しとる」(各地)、「しとう」(神戸)など、地域によって様々ですね。

「ちょる」は山口方言の特徴の一つと考えられているのか、県のPRキャラの名前にも繋がっています。その名も、


「ちょるる」


もともと山口国体のマスコットとして誕生。見たことがある人もいるのではないでしょうか。2013年のゆるキャラグランプリでは見事7位になったそうです。


最後に、こちらは宣伝文句ではありませんが、


「おかき ふく焼き」


この「ふく」は、下関の名物「ふぐ」のこと。
「山口ではふぐを福にかけてふくと言う」という話は、聞いたことがある人も多いかもしれません。
これは民間で言われる説で、本来の語源かはわかりませんが、現在、下関で商いをする人が「福とかけている」という意識でいるのは間違いないでしょう。ちなみに、若い世代は単にふぐと言うことも多いようです。


この「ふく焼き」、コース室に買ってきました!



コース室に福が来るように祈っています。
外側の包装には「ふく焼き」とあるのに、個包装には「ふぐ焼き」と書いてあるのが気になりますが、これはきっと詰めの甘さではなくて、他県民の皆さんにふぐとふくのことを教えてくれているんですね!!


方言を織り交ぜることで、食べ物の美味しさなどが、より親しみやすく楽しく表現されている気がします。
皆さんも旅行されたときには、各地の方言が使われた商品名などに注目してみてはいかがでしょう。


コース室には、他のお菓子もあるので、お気軽にお越しくださいね。

次回の開室日は、9月2日(水)です。
ではまた!