にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

辞書比べ

こんにちは、佐助です。
脈絡のない記事を投下することに得も言われぬ楽しさを感じています。
今日は国語辞書の話をします。
ちなみに、「辞典」は「辞書」のやや新しい言い方だそうです。


あちこちの出版社から様々な国語辞書が出版されています。
おおまかに分類すると、大型国語辞典・中型国語辞典・小型国語辞典の三種になります。

大型の代表はなんといっても『日本国語大辞典』(小学館)でしょう。現行第二版、とりあえずこれ引いとけばいいよといわれる辞書で、魅力は収録語数の多さと初出例(と思われるもの)が掲載されていることです。ニッコクの愛称で親しまれています。

中型には『広辞苑』(岩波書店・現行第六版)と『大辞林』(三省堂・現行第三版)があてはまります。双璧です。『広辞苑』は近ごろ迷走しているともっぱらの噂ですが、やっぱり人気ですね。『大辞林』は紙媒体と電子媒体の両方があって、それぞれの特徴を生かそうとしているところがおもしろいです。「コトバンク」にも提供されています。

小型辞書はたくさんありますが、それぞれ棲み分けているのがおもしろいところ。『新明解国語辞典』(三省堂・現行第七版)や『新潮国語辞典』(新潮社・現行第二版)などなど(ありすぎるので個人的な好みで二つにしました)。『新明解国語辞典』はユニークな解説が特徴的で、新解さんという愛称で親しまれています。『新潮国語辞典』は現代語と古語の両方を引くことができる点、ものすごく便利です。



では試みに、同じ言葉の意味を見比べてみます(これが書きたくて始めたのに、割と長くなりました)。「憎い」にします。大中小それぞれ代表して一つずつ、1の意味だけ抜き出して比較します。


大型代表、ニッコク
1 きらいだ。うとましい。癪にさわる。憎らしい。
中型代表、広辞苑!(第五版)
1 いやな相手として何か悪いことがあればよいと思うほど嫌っている。気に入らない。にくらしい。
小型代表、新解さん!(第六版)
1 相手(の存在)がたまらなくいやで、出来るなら抹殺したいくらいだ。


こうしてみると、広辞苑って陰湿ですね(ごめんなさい)。
あと、検索してみましたけれども、広辞苑には愛称がないんですね。コージとか、どうですか。コージとダイジ。二人はライバル的な。どうですか。


それはさておき、自分に合う辞書、目的に合う辞書をちゃんと使い分けられたら素敵ですね。私は陰湿なコージが結構好きです(ごめんなさい)。佐助でした。