にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

不思議に真面目

こんにちは、佐助です。
今日もゆるゆるとコース室で仕事をしております。


(昨日の続きです)


不思議といえば、語源説です。この間、Twitterで「毛布(もうふ)」の語源は「もふもふ」だというとんでも話を見ました。そんなわけあるかい!と思ったのですが、案外簡単に信じられていたりして。そしてその後、それはガセだという話がまわったりして。(明治期ブランケット→ケットというルビに毛布という漢字をあて、そのうちその漢字音で読まれるようになったというのが日本国語大辞典などに書いてあります。もふもふという言葉自体が新しそうですので、何にしろありえない話かと。)

英語なんかではこの単語の語源はこれで…というのをよく見かけますし、ああなるほどなと納得できるものも多いように思いますが、日本語では割とはっきりしないことが多い気がします。はっきりしないことが多い=確証がないというのは、辞書を見ていてもわかりますね(載せていないことが多いです)。でもなぜかみんな、語源を考えるのが大好き。ためしに「語源」でリアルタイム検索をかけても結構な数がヒットしますし、歴史的に見ても「民間語源」「語源俗解」というような言葉があるとおり昔からいろんな言葉の語源をいろんな人が考えてきたのがわかります(「一所懸命」→「一生懸命」というのが有名でしょうか)。でも、学問的には盛んではないというか、そもそも日本語がどの言語と同系かということがはっきりしておらず、比較してみることもままならないのでなかなか進まないというのが現実(おこなわれてはいます)。

近ごろはインターネットを使って簡単に調べられてしまうし、ブログやtwitterなどを使って簡単に自分の考えを公開できるので、うそっぱち語源を目にする機会も多くなりました。そこから新しい意味や言葉が生まれるのはおもしろいことではありますけれど、もう少し慎重になりたいですね。



(あ、まじめな内容になった!すごい!と思いながら終わります。佐助でした)