にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

小匙一杯のやる気

涼しいというだけでやる気5倍。
こんにちは、佐助です。
院生ラウンジのドアを開けたら中で寝ていた人を起こしてしまい、盛大なため息をつかれました。
なんでしょう、この、遣る方無い気持ち。


大量の古新聞や古雑誌、ただ今絶賛リスト作成中なのですが、その中に東京電力が発行していた『東電グラフ』という雑誌があります(千鳥ちゃんがもーいややーと言いながら書き出していましたが、今ちょっとしらべてみたら国立国語研究所に所蔵されていたので、あながち関係ないとも言えない雑誌なのかなと思いました)。
WINE検索したところ、本学図書館には所蔵されていないようです。


この雑誌、電力会社が出しているだけあって節電情報などが載っているのですが、中をぱらぱら見ますと、料理レシピなども掲載されています。(7月19日追記:レシピが掲載されているのは『ガスニュース』だったようです。間違い間違いテヘペロ)
その中には分量を示すのに「茶匙1杯」と書かれていたりして、時代を感じます(という話で書き出し中に盛り上がりました)。茶匙も小匙も同じ量(そりゃそうです)、ただ呼び方だけ違うというわけですね。今の料理番組・料理本などを見るに、おそらく「小匙」のほうが主流で、「茶匙」とはわざわざ呼んでいないように思います。計量スプーンのせいでしょうか、それとも「茶匙」が身近なものではなくなったからでしょうか。なんとなく、「小匙」のほうが新しいような印象を受けます。
ただ、日本国語大辞典を見ると、料理用語としてはわかりませんが、両者の初出とされている例はおおよそ同じ時期のものでした(ただし、「さじ」は「茶匙」の字音語であるという説があることから、「茶匙」という表記自体は古くからあったものと思われます)。


一般的に使用される語と、料理用語のようなある特定のところで使用される語は少し異なる流れ・変遷、あるいは意味・ニュアンスを持っているものですが、それが伺える一例だなと思ったのでした。



という感じで誰かの研究の役に立てばいいなと思いながら今日もリスト作成に励みます。


(これを書いている最中に肩こりのせいか肩のあたりがつってしまい、やる気が大幅に削がれた佐助でした)