にちぶんにっき

早稲田大学日本語日本文学コース室のブログです。

芋辞書

こんにちは。小倉です。
芋がおいしい季節になってきました。
ところで、新明解国語辞典第二版の芋の項には「芋辞書」という語があります。
その語義は、「大学院の学生などに下請けさせ、先行書の切り貼りででっちあげた、ちゃちな辞書」だそうです。大学院の学生の評価がものすごく低いのが笑えるような、笑えないような、なんともいえぬ感じですね。
ちなみに、辞書全体の序にも「先行書数冊を机上にひろげ、適宜に取捨選択して一書を成すは、いわゆるパッチワークの最たるもの、所詮、芋辞書の域を出ない。」とあります。
ですが、なぜこういった辞書を「芋辞書」と言ったのかが気になるところです。寄せ集めだから芋のようにゴツゴツしたいびつな文章になっているということなのでしょうか、それとも、少し他の文献を引っぱると芋づる式に出典がゴロゴロでてくるという意味なのでしょうか。
いま適当に考えたのですが、芋辞書な芋の辞書といったものがあったらおもしろいかもしれません。じゃがいもやサツマイモやキャッサバなど、世界中の芋についてカラー図版入りで解説してあって、その解説を書いているのは全て大学院生、というような。
ただ、芋を専門にご研究されている大学院生の方はかなり芋について詳しいと思うので、ちゃんとした辞書になりそうで、芋の辞書ではあるけれども芋辞書ではないというような、なんだかややこしい事態が起きそうです。
ともかく、私もがんばって勉強をしようと思いました。
そんなことを考えていたら開室時間が終わりましたので、それではまた。